
2026年度の最低賃金は全国平均1,177円に|企業が押さえておきたい賃上げと人材確保のポイント
2026年度の最低賃金の改定額が全国の都道府県で出揃い、全国加重平均は前年から56円引き上げられ、時給1,177円となりました。近年は物価上昇や人手不足を背景に賃上げの動きが続いており、企業にとって人件費の管理と人材確保はますます重要な経営課題となっています。
今回は、2026年度の最低賃金改定の内容と、最新の雇用情勢を踏まえ、中小企業が考えておきたい対応について解説します。
2026年度の最低賃金は過去2番目の引上げ額に
2026年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円となり、前年から56円の引上げとなりました。
改定後の最低賃金が最も高い東京都は1,280円、最も低い宮崎県は1,085円となり、その差は195円となっています。
新しい最低賃金は、各都道府県で定められた発効日から適用されます。2026年度は10月1日から12月2日にかけて順次発効するため、企業は所在地の最低賃金と発効日を確認する必要があります。
最低賃金は正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトなど、原則としてすべての労働者に適用されます。
また、月給制の従業員についても、最低賃金の対象となる賃金を時間額に換算し、地域別最低賃金を下回っていないか確認する必要があります。
有効求人倍率は1.18倍で横ばいに
厚生労働省が公表した2026年7月の有効求人倍率は、前月から横ばいの1.18倍となりました。
一方、新規求人倍率は2.10倍となり、前月から0.06ポイント低下しています。
産業別の新規求人数では、宿泊業・飲食サービス業が前年同月比10.7%減少した一方、製造業は6.8%増加するなど、業種によって異なる動きが見られました。
有効求人倍率が1倍を超えていることから、全体として求職者数に対して求人が多い状況にありますが、企業の採用環境は業種や地域によって差があります。
そのため、賃金だけでなく、労働時間や休日、福利厚生なども含めた総合的な待遇改善が重要となります。
最低賃金の引上げで企業が確認すべきこと
最低賃金の改定に伴い、企業では次のような点を確認しておく必要があります。
- 従業員の基本給や時給が改定後の最低賃金を下回っていないか
- 月給制の従業員について、時間額換算で最低賃金を満たしているか
- 最低賃金の計算に含められない手当を適切に除外しているか
- 賃金規程や雇用契約書の変更が必要か
- 賃上げによる社会保険料や人件費への影響を把握しているか
特に、最低賃金に近い水準で多くの従業員を雇用している企業では、賃上げによる年間人件費への影響が大きくなる可能性があります。早めに給与体系を確認し、必要に応じて賃金規程の見直しを進めることが大切です。
人材確保には働きやすい職場づくりも重要
人手不足が続くなか、賃金の引上げだけで採用競争力を維持することは難しくなっています。
例えば、休日・休暇制度の充実や柔軟な勤務体制の整備、教育研修制度の導入などは、従業員の定着にもつながります。
また、業務の効率化や生産性向上を進めることで、賃上げに対応できる経営基盤を整えることも重要です。
企業の規模や業種に応じて、無理のない形で労働環境の改善を進めていきましょう。
まとめ
2026年度の最低賃金改定は、中小企業にとって人件費の管理や給与体系を見直す重要な機会となります。
最低賃金への対応はもちろん、採用や定着を見据えた働きやすい職場づくりも求められています。
社会保険労務士・行政書士 西川事務所では、賃金規程の見直し、就業規則の作成・変更、労務管理など、企業の状況に応じたサポートを行っています。給与体系や労務管理についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。


