
人材確保競争が激化する今、中小企業が考えるべき採用戦略とは
企業を取り巻く採用環境は年々変化しています。
人手不足が深刻化する中、外国人材の受入れ制度の見直しや、新卒採用の早期化、
人材派遣業界の適正な競争環境の確保など、人材確保に関わるさまざまな動きが注目されています。
今回は、人事・労務担当者が押さえておきたい最新ニュースを解説します。
1.新制度「育成就労」に向けてタイと初の協力覚書を締結
出入国在留管理庁は、2027年4月に開始予定の「育成就労制度」に関し、
タイ政府と協力覚書を締結したことを発表しました。
育成就労制度は、現在の技能実習制度に代わる新たな外国人材受入れ制度として創設されるものです。
今回の覚書は、人材の送り出し国との間で締結される初めての協力体制となります。
制度導入の背景には、外国人労働者が来日前に高額な手数料や借金を負担するケースが問題視されてきたことがあります。
日本とタイの両政府は、
- 不正な仲介業者の排除
- 適正な人材送り出し体制の構築
- 外国人材の権利保護
などについて連携を進める方針です。
今後、外国人材の採用を検討している企業にとっては、
制度改正の内容や受入れ体制の整備状況を注視する必要があるでしょう。
2.人材派遣大手5社に公正取引委員会が立入り検査
公正取引委員会は、人材派遣大手5社に対し、独占禁止法違反(カルテル)の疑いで立入り検査を行いました。
対象となったのは、
- パーソルテンプスタッフ
- スタッフサービス
- リクルートスタッフィング
- マンパワーグループ
- アデコ
の5社です。
報道によると、2023年4月以降、一般事務職の派遣料金について各社が事前に協議し、
価格を引き上げていた疑いが持たれています。
人材不足や賃上げの流れを背景に派遣料金は上昇傾向にありますが、
仮にカルテルが認定された場合、公正な市場競争を阻害する重大な問題となります。
派遣労働者の賃金向上は重要な課題ですが、利用企業としても派遣料金の内訳や契約内容を十分確認し、
適切なコスト管理を行うことが求められます。
3.2027年卒の内々定率はすでに7割超
2027年春卒業予定の大学生を対象とした採用選考が解禁されました。
しかし、就職情報会社の調査によると、すでに76%の学生が内々定を取得しており、
新卒採用の早期化が一段と進んでいます。また、内閣府の調査では、2026年卒学生の就職活動期間について
「9カ月以上」が47%と最も多くなりました。
企業側では優秀な人材を早期に確保したいという意向が強まる一方、
学生側も長期間にわたる就職活動を余儀なくされる傾向が見られます。
政府は今後、2029年卒以降の採用ルールについて、
大学や経済界との議論を踏まえながら見直しを検討するとしています。
中小企業においては、
- インターンシップの活用
- 採用広報の早期化
- SNSやホームページを活用した情報発信
- 入社後のキャリア形成支援の充実
など、大手企業との差別化を図る採用戦略がますます重要になるでしょう。
まとめ
今回のニュースから見えてくるのは、「人材確保競争の激化」です。
- 外国人材の受入れ制度改革
- 派遣人材市場の適正化
- 新卒採用の早期化
といった動きは、今後の採用活動や人材戦略に大きな影響を与える可能性があります。
特に中小企業においては、従来の採用手法だけでは人材確保が難しくなりつつあります。
採用制度の見直しや職場環境の改善、多様な人材の活用など、時代に合わせた人事戦略が求められるでしょう。
西川事務所では、採用・労務管理・外国人雇用に関するご相談を承っております。人材確保や職場づくりでお困りの際は、お気軽にご相談ください。


